別れと出会い

 

 

遂にお別れ・・再開の望みは持ちつつ

 

     2階に届くほど大きく育って、こんなに綺麗なお花を咲かせるようになった薔薇。ところが、昨年から少しづつ茎に白い丸い形のもの(おそらく虫の何か)がつくようになり、今年の長い雨の季節が終わってみたら、大部分の茎が白い綿のような粉のようなものにびっしりと覆われてしまっていましたので、泣く泣く根元から切ることにしました。たぶんもうダメだと諦めつつ、また新芽が出てくるかもしれないと５%の望みを捨てず、白いものが付いていない根元は残して。

　ふと見上げると薔薇の一番太い茎の上に鳥の巣のようなものが見えました。「え？　まさか？　いつの間に？」と驚きました。

  ガーデニングが趣味の私は、猫の額ほどの小さな庭にたくさんの植物を植えています。薔薇の花が終わる度、高枝切り鋏で切っていましたが、その時は巣はなかったのです。この梅雨の１ヶ月の長雨の間に巣作りが行われたようでした(^_^*)    

   この巣は遠くから見ると、白いものが薔薇に付いたものと同類のもののように見えたのですが、違いました！　これは、薔薇の枝を家の壁に沿って伸ばすために私が使ったビニール紐を細く分解したものでした。これをたくさん集めてきた細い枝と一緒に巻きつけて、巣を補強したようです。ヒヨドリは賢い鳥なのですね(^^)

 

 

 

     問題は卵があるかないかです。でも、気づいた日の最高気温は36度。こんなに暑い中で子育てを始めるわけはないと思っていました。鳥の子育ては春だと勝手なイメージを持っていましたので。おそらくもう雛は巣立ったはずと、薔薇は翌日の早朝に切ることに決めました。

 

新しい命の息吹との出会い

 

　翌朝、薔薇の枝を切り始めました。途中から背が高い主人が手伝ってくれましたが、巣を覗いて「卵があるよ！」のひと言！　びっくりでした！　その薔薇の木はもみの木の隣に植えたもので、伸びた枝がもみの木のてっぺんの少し下を通っているあたりに巣は作られていました。ちょうど照りつける日差しをもみの木で避けられ、且つ玄関のポーチの下になっていて雨も避けられる絶妙の場所でした。薔薇はもうそのままにはできないので、出来る限り場所の移動を最小限にしながらもみの木側にお引越ししてもらうことにしました。そーっと、そーっと、3個の卵を落とさないように、主人が５cmほど移動させ、しっかりと安定する場所に置いてくれました。巣が固定されている薔薇の真っ白の枝の一部は仕方なくそのままそこに。鳥が巣立っていくまでは(^^)     

 

 

　ほんの少しとはいえ。移動させてしまい、家の前の道路からみると、薔薇は根元だけ残して綺麗さっぱりなくなっています。親鳥がちゃんと戻ってくるのかどうか、とても心配でした。

 

　もみの木の上に見えていた薔薇の枝や葉っぱは跡形もなくなくなりました。

 

　切った枝などを片付け、その他の庭の手入れも終わり、家の中に入ってしばらくして覗いてみると、しっかり親鳥が巣に戻って卵を温めているのが見えました！　主人と2人で大喜びです(o^^o)     本当にホッとしました(^^)

 

 

 

　コロナ禍で、毎週欠かしたことのなかったお友達との食事会やスポーツジム通い、予約していた歌舞伎などイベントも全てキャンセル、離れてひとり暮らしをしている子どもたちにも会えず、様々な我慢を強いられる生活が長く続く中、日常のささやかな喜びに幸せを感じる生活にシフトしてきておりましたが、そんな中、こんなに身近に自然の生き物の生命の息吹を間近で感じることが出来るなんで、ほんとうに大きな幸せです(^^) 

    近くを通ったり窓のシャッターを開けると、その度びっくりして親鳥が飛んでいってしまうのでその度申し訳ないと思うのですが、毎日こっそりと親鳥が卵を温めている様子を窓から覗き見するのが楽しみになっています。隠し撮りも試みています。パパラッチの方々はこんな風に息を潜めてシャッターを切っているのかしらと思いながら(^^)

　調べてみたらネットに公開されている文献に、「2週間ほどメスが抱卵します。卵がかえった後はヒナの飼育はつがいで行い、ヒナは10日ほどで巣立ちます。初めはあまり飛ぶことが出来ないため、巣立ちから2か月ほどは親鳥と一緒に過ごします。」とありましたので、あと１ヶ月ほどは観察を楽しめそうです(^^)

　気づかれず写真を撮ることはとても難しいですが、隠し撮り写真も時々インスタグラムの作品の後に記録用として載せていこうと考えています。高いところに巣があるので、巣の中の写真はなかなか撮れません。前出の写真は、意を決して自転車の荷台に登って撮ったものです。雛が孵ったら親鳥はヤキモキするでしょうが、脚立にでも乗って一度は撮りたいと思います。カラスのように攻撃してくるでしょうか？？